2025年12月3日（水）、仙台市泉区および泉区連合町内会長協議会が主催する、
町内会役員向け研修会にて行われたパネルディスカッションに、
まちスポのスタッフが進行役として登壇しました。

研修会全体のテーマは「町内会×デジタル化」。
会場はイズミティ21で、当日は町内会長をはじめ、
総務担当など複数の役職を兼務されている方々を含め、約90名が参加しました。

研修会では、泉区外の2つの事例紹介に加え、
実際に泉区内でデジタル化に取り組んでみた3町内会の皆さまにもご登壇いただきました。

取り組みの内容だけでなく、実際にやってみて感じた大変さや面白さ、
思いがけなかった気づきなどを振り返りながら共有いただき、
パネルディスカッションでは
「何が一番大変だったか」「続けていくうえでの工夫」などを中心に意見交換を行いました。
研修会終了後には相談ブースを設け、各町内会が抱える個別のお悩みにも対応しました。

多岐に渡る町内会運営の悩み

当日は、会長職に限らず、複数の役職を兼務されている方や総務担当の方など、
さまざまな立場の参加がありました。
相談や意見交換を通じて見えてきたのは、
町内会運営の悩みが非常に多岐にわたっているということです。

例えば、泉区外の事例共有では、

• ◆地区内の就労継続支援B型事業所を活用し、市政だよりの配布を外部委託している事例
  ◆タワーマンションでの町内会組成にあたり、会費を徴収しないミニマムな運営を徹底した事例

が紹介されました。

また、泉区内の町内会による事例共有では、

• ◆集会所の予約管理にデジタルツール「RESERVA」を導入し、管理の手間を軽減した事例
  ◆Googleフォームを活用し、災害時の被災状況報告を兼ねた在宅型の避難訓練を実施した事例
  ◆回覧板を含む町内情報の共有に、LINE公式アカウントを活用している事例

など、トライ＆エラーも含めた具体的な取り組みが紹介されました。

こうした悩みや取り組みは、
大きく分けると「広報・情報伝達」「会計・事務作業」「担い手・つながり」の
3つのジャンルに整理できます。
パネルディスカッションを通じて多く聞かれたのは、
担い手不足の解消にじわじわとつながるからこそ、
特に「広報・情報伝達」は優先度が高いのではないか、という声でした。

具体的な声に基づいて個別最適を図る大切さ

研修全体を通じて共有されたのは、
「今のやり方を否定せず、小さく試すことが大切」「最適解は地域により異なる」という視点です。

例えば、回覧板のデジタル化一つをとっても、
LINEの利用に慣れており、特に反発が起きない地域もあれば、
そもそもスマートフォンの保有率が低く、
導入しても使い方が分からないという声が多い地域もあります。
そのため、当面は紙とデジタルを併用するなど、
工夫と大変さが同時に生じる場面も少なくありません。

それでも、地域住民からの励ましの声を受け止めて次へのやる気につながったり、
それぞれの町内会の状況に応じたヒントを持ち帰ったりと、前向きな変化も多く見られました。

さいごに

普段から町内会支援に関わっている立場としても、
まちスポ仙台自身、町内会ごとに置かれている状況や悩みの幅広さを、
あらためて実感する機会となりました。

まちスポ仙台では、今後も町内会の皆さんが抱える戸惑いや不安に寄り添いながら、
現場に合った形でのデジタル活用を支える場づくりを続けていきます。

ご関心のある方は、お気軽にお声がけください。