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      まちスポ仙台は「ひろげる」「うみだす」「そだてる」の3つを軸に活動しています。

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つながるみつける日記 ・episode10・

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つながるみつける日記とは

みなさんこんにちは!

まちづくりスポット仙台でインターン生として活動している嶺岸ほのか(みねぎしほのか)です。このブログでは、まちづくりスポットで活動されている団体さんの想いやお困りごとなどを私なりの視点から発信し、団体さん同士がつながるきっかけとなることを目標としています。

最近は、「ブランチオーガニックマーケット」に出店されている方を中心に、インタビューをさせていただいています!

「人と人のつながり」を大切にしながら、私自身も学び、成長する日々です。このブログを通じて、新しい発見や繋がりが生まれるきっかけになれば嬉しいなあと思います。

ぜひぜひ、この記事を読んだら、気軽に反応もらえると嬉しいです!

▶︎#学びをシェア

Mia Madreで潮焼き(うしおやき)を行っている佐藤昭幸(さとうよしあき)さんにお話を伺いました。

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焼きものの音が、潮騒と交わる場所で

宮城県七ヶ浜町。

海の音がすぐそこに聞こえる場所に、「潮焼き(うしおやき)」という小さな窯があります。

その名の通り、潮の香りとともに生まれる焼きもの。作り手は佐藤昭幸(さとうあきよし)さんです。

佐藤さんはもともと、陶芸家ではありませんでした。

震災前はサラリーマンとして働いていましたが、「子どもの健全育成に関わる仕事がしたい」と思い立ち、NPO法人「地球の楽好(ちきゅうのがっこう)」に転職。イベントや地域活動を通じて、子どもたちや家族と向き合う日々を送っていました。

震災をきっかけに見つけた“土と火”の仕事

2011年の東日本大震災。あの日を境に、佐藤さんの活動は大きく変わります。

避難所や仮設住宅をまわり、物資を届け、子どもたちと遊び場をつくる——そんな日々の中で、「人の心が元気になる時間を、どうやってつくれるだろう」と考えるようになったそうです。

あるとき、青森県五所川原市の「金山焼」窯元・松宮さんとの出会いが訪れます。

山の斜面を一人で切り開き、10基もの窯を築いたという松宮さん。その姿に惹かれ、佐藤さんは二週間ほど“弟子入り”しました。土を掘り、漉し、練り、焼く。すべての工程に体力と根気が要ります。

「金山焼の土はね、4~5年に一度しか採れないんです」と佐藤さんは言います。
何度も漉して精製された土には、ミネラルが豊富に含まれており、その器で水を飲むと美味しいだけじゃなく健康にも繋がり、花を生けると長持ちするのだそう。

「この土と出会って、焼きものをみんなで作る楽しさ、絆を感じました」と佐藤さんは振り返ります。

津波の松を燃料に、七ヶ浜で生まれた「潮焼き」

震災から三年後、沿岸部にはいまだ津波で倒れた松の木が数多く残されていました。

「これを燃料にできないだろうか。焼きものとして、もう一度、命を吹き込めないか」。

そう考え、七ヶ浜町の協力を得て、金山焼の松宮さんたちとともに新たな窯を築いたのが2014年。

“潮騒が聞こえる焼きもの”という意味を込めて、「潮焼き」と名づけました。

焼成はすべて薪窯。津波で流された松を割って薪にし、48時間以上かけて焚き上げます。

温度は少しずつ上げていき、最終的には1300度。窯の中では釉薬を一切使わず、火と土の自然な化学反応だけで色が生まれます。

前に置いたものは火が強くあたり、後ろは穏やか。置き場所や天候、その日の“窯の気分”で、色も艶もまったく違ってきます。

「同じものは一つとしてできない。それが面白いんです」と佐藤さんは笑います。

“景色”をつくる窯の神様

焼きあがった器の表面には、不思議な模様が浮かびます。陶芸の世界ではこれを“景色”と呼ぶそうです。

「釉薬を使えば思い通りに焼けるけど、潮焼きは、窯の神様まかせ。どんな景色になるかは、その日次第」

窯焚きの前には必ず、お酒とお塩を捧げてお祈りをします。

「窯には神様がいる」——それは金山焼で教わった教えでもあります。

一度窯を焚くと、三日三晩、火の番を続けなければなりません。

「根性がいりますよ」と笑いながらも、その目は真剣。

炎の温度や薪の加減を見ながら、火を絶やさないように夜を越える。

その先に生まれるのが、世界に一つしかない“潮焼き”の器です。

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陶芸を通して、人と人が元気になる

潮焼きが生まれたもう一つの目的は、「人と人をつなぐこと」。

佐藤さんは震災後、仮設住宅を訪ね、おじいちゃんおばあちゃんたちと陶芸をする活動を続けました。

「手を動かしていると、みんな自然と笑顔になるんです。気づけば、自分が一番元気をもらってました」

この潮焼きを子どもたちの学校や幼稚園、企業、一般の人にも広げていきたいと考えているそうです。

「この窯を使いたい人がいれば、どんどん引き継いでいってほしい。続いていくことが一番うれしい」と話します。

感謝とともに

潮焼きは今、活動を少し休止しながらも、過去に作った作品を販売しつつ、再開の時を静かに待っています。

「震災がきっかけで出会った人たち、七ヶ浜の方々、金山焼のみなさん、そして支えてくれた仲間。感謝しかないですね」

海の音を聞きながら、赤松の香りに包まれた窯の前に立つ佐藤さん。

「焼き仕事っていうより、人との出会いがうれしいんです」と語るその言葉に、“潮焼き”の本当の意味が込められているように感じます。
土と火と人のあいだに流れるぬくもり。

その一つひとつの器には、七ヶ浜の風と、佐藤さんのまっすぐな思いが宿っています。

“つながるみつける”ポイント

佐藤さんは現在、窯を継いでくれる人、使ってくれる人と繋がりたいと思っています。

「少しでも、陶芸に興味がある」、「陶芸で、事業を立ち上げたい」、「意味を持った陶芸品を作りたい」

そんな思いを持っている人は、ぜひ、オーガニックマーケットを訪れ、佐藤さんのお話を聞いてみてください。

オーガニックマーケットでは小学生向けに、体験イベントも開催しています。

もし自分の手で何かを生み出す時間があったら、どんな“景色”を作りたいですか?

潮焼きの佐藤さんのお問い合わせ先はこちらから

宛先:宮城県多賀城市丸山1-8-22

メールアドレス:ushioyaki@gmail.com

Instagram:@ushioyaki.miyagi

作成・嶺岸ほのか

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